ピアニスト 松村未英 の  スペインの日々
by miematsumura
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Puerta del Vino / 葡萄酒の門

今晩たまたまスペインで初めて弾いたコンサートの録音が出てきたので、懐かしさ半分、面白半分で聴いてみました。

もう何を弾いたかプログラムを覚えてなかった自分に自分で驚いたけれど、
その中でドビュッシーの前奏曲をいくつか弾いていました。
そのうちの一つが”Puerta del vino” 葡萄酒の門です。
今日はこの曲の話を。

この門はグラナダのアラハンブラ宮殿にあります。
何度か行ったことがあるのですが、写真を撮る習慣がないので写真が手元にありません。写真はまたいつかということで。


ドビュッシーは、1889年のパリの万博でフラメンコを観たと言われています。
スペインを実際に訪れることなしに、ドビュッシーはフラメンコからインスピレーションを受けてこの前奏曲を作曲したわけです。
そして、彼にはスペインのファリャから彼の元に送られた葉書があり、その葉書の絵がこの葡萄酒の門であったのです。
それでこの題名がついたというわけです。

ハバネラのリズムで書かれたこの曲は、スペインのことが多少分かるようになった今久しぶりに聴いたら、すごく興味深いものでした。
ミステリアスな雰囲気、その中でぺディスコ、とフラメンコで呼ばれるビビッと電気が走ったような火花のような衝撃、
(ぺディスコはフラメンコでは一番大切な要素で、これがなければフラメンコではないと私は思います。コカコーラにとって炭酸、カフェオーレにとったらミルクのようなもの)
これを鋭いアルペッジオで表したり、ハーモニーにフラメンコの和音を取り入れたり、フラメンコの中からあふれる気持ちの抑揚を和音の跳躍で表したり、ドビュッシーのフラメンコの印象が読み取れます。
彼は、歌だけではなく、踊りも見たと思います。
踊り手が身をひるがえす様子が目に浮かびます。
この短い曲の中に、これだけ上手く、彼にとってのスペインを、フラメンコを表現するのは素晴らしい。

しかし、やはりあくまでドビュッシーはフランス人で、フランス音楽特有のこの空気の混ざったような独特の音そのものの質、これはフランス語という言語そのものにみれると思うけれど、空気を混ぜて発音するようなこの言語そのまま。それでスペインを表現する、というこの混ざり具合が大変面白い。だから、あくまでこの曲はフランスから見たスペイン、ということですね。


やはり、スペインという国は、外国人にとてもエキゾチックな魅力があると思います。
外国人がスペインをテーマに曲をつくったといえば、他にも、ラベルがスペイン狂詩曲やボレロ(彼は後30km南の街で生まれていればスペイン人であったけど。おしい!)、ビゼーがオペラ・カルメンなどスペインにまつわる曲を書いていますし、リストにもスペイン狂詩曲を作曲しています。
ロシアのグリンカやボロディンに至っては、実際あの時代にグラナダに来て、ヒタ―ノと一緒に住みながらフラメンコを知ろうとしていたらしいです。リムスキー・コルサコフも、オーケストラの曲でスペイン奇想曲がありますし、基本的に、スペインほどよそ者にしたら憧れを呼び起こす国もないのではないでしょうか?
他の国、例えば、ドイツについてそう言う種の憧れはないと思います。
ベルリンの思い出、とかドイツ狂詩曲、とか堅そうだなあ・・・・

そして、そのスペインをテーマに作曲すると、だいたい使われるリズムはハバネラかホタなのです。
例えば、ドビッシーのこの前奏曲はハバネラであり、ビゼーのカルメンでもそう。
ホタは、スペインのアラゴン地方のリズムで、これは普通に3拍子なので、取り入れやすいのでしょう。バレエのドンキホーテだとかホタですね。
フラメンコのリズムを、クラシックの曲に取り入れるのは大変難しい。
これはアルベニスやファリャ、トュリナが成功しているだけで、外国人では知っている限りですが、いないと思います。
このように、憧れなんだけど、いまいちつかめない国、それがスペインなのだという気がします。
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by miematsumura | 2011-07-04 09:56 | スペイン音楽
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