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ピアニスト 松村未英 の  スペインの日々
by miematsumura
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セレナータ・アンダルーサが出来るまで 4

さて、年末年始で途中ちょっと途切れましたが、続きに戻ります。

前のお話はここから:
セレナータ・アンダルーサが出来るまで1:http://miespain.exblog.jp/14175885/

セレナータ・アンダルーサが出来るまで2:http://miespain.exblog.jp/14189340/

セレナータ・アンダルーサが出来るまで3:http://miespain.exblog.jp/14221687/



フラメンコと出会った私は、初めて聴いたときは、こんな芸術もあるのだなという感じで、フラメンコの独特のしわがれた声は、発声方法がクラシックとも、ジャズやボサノバのそれとも全く違うので、びっくりしました。こんな声の出し方もありなのか、何と直接的なことか、という感じ。

同時に、なんだか懐かしいような気持ちもしたのです。やはりインドから来たヒタ―ノなので、日本にはインドから来た仏教もありますし、同じ故郷の匂いをフラメンコに聴いたというのでしょうか。
フラメンコにもいろいろ曲のスタイルがあるのですが、その中でもそれを聴くと年末の、ゆく年くる年、でしたっけ?紅白の後、1年の最後の時間で日本全国のお寺を訪問し、除夜の鐘が聞こえる番組がありますよね。ごーん、ごーん、と。あの番組が頭に浮かぶのです。
何しろ、遠いロシアのリムスキーコルサコフやボロディンまで、興味を持ってはるばる観察しにやってきた芸術です。独特で不思議な魅力があることは確かです。

西洋にありながら、西洋の要素だけではない不思議さ。
東洋から来たものが、西洋にあるものと融合してできた新しいものである、ということ。


セビリアに住んで、この燦燦と輝く太陽のもと、ここの人々の生活を見て、いろんなフラメンコの説明をしてもらいながら知るうちに、だんだんファリャやアルベニスが見たものが分かるようになりました。(ファリャはまさにカディス出身です。)
世の中の人は、彼らが、どのように影響されているのか知らないことも知っていました。
学生時代から、ずっと謎だと思っていたことが目の前にある。これを世の人に見せたい。
何とかこの2つの芸術の出会いを表現することは出来ないものか。


そのような考えが、頭の中に浮かぶようになりました。

もやもやとしながら、あれはどうか、これはどうかと考えていた時に、2005年にフラメンコダンサーのホアキン・グリロと共演する機会があり、それが成功して、実際に観客の感触を感じ、またそこから、あれを足して、これをやってみたら?と、しているうちに、とうとう形にする機会が来ました。
2007年の5月のことです。
ファリャ、アルベニス、グラナドスの3人の作品にしぼり、フラメンコのリズムに近い曲だけを選んで、フラメンコとの出会いを描いた作品を作りました。フラメンコとスペインのクラシック音楽の出会い。
それがセレナータ・アンダルーサです。
この名前はファリャの同名の曲からとられています。

セビリアのロぺ・デ・ベガ劇場で初演されました。
この劇場は、へレスのビジャマルタ劇場と並ぶ、フラメンコ界では最高峰の劇場で、クラシックで言うと、カーネギーホールのような感じでしょうか。フラメンコの人はここを憧れに芸を磨きます。
でも、私は初演の時は、そんなことは知らなかったので、いつも観に来ている素敵な劇場、という感覚でしたが、後で考えてみると、そのような素晴らしい劇場で上演機会をいただけて、大変に幸運でした。


終演後、一番初めに楽屋に会いに来てくれたのは、今は亡きあのマリオ・マヤでした。
彼は素晴らしいフラメンコの踊り手/振り付け師で、アマルゴというロルカの詩からインスピレーションを受けた作品がとても有名です。マリオが私の手を取って、甲にキスしてくださったのでした。
by miematsumura | 2012-01-14 06:56 | セレナータ・アンダルーサ
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