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ゴヤの絵画
先日マドリッドに行った時に、予定していた事が変更になったりして時間が出来たので、久しぶりにプラド美術館に足を延ばしてきました。
東京・上野の国立西洋美術館で、秋からこの1月末まで行われていたゴヤ展がありましたが、それらのゴヤが、プラドに帰ってきたかな?というのを覗こうと思ったのと、プラドには昨秋からロシアのエルミタージュが、特別展示にやって来ていて、見てみたかったのです。 ちょうど、雑誌でエルミタージュの宣伝が載っているのを見ていて、これは去年の秋のものですが、今引っ張り出してみました。 この写真が夢を書きたててくれるでしょう? 一体どんな美術館なのか、絵画がどうこう言うよりも以前に、建物自体が美術館のようではありません? この豪奢さと言ったら! 私はロシアには行ったことがないので、世界三大美術館であるエルミタージュには、 (残り2つはプラドとパリのルーブル)憧れがあるのです。 プラドに行ってみると、入場制限で30分に00人とか決まっているようで、3時間待ち、という状態でした。びっくり。 それですぐに入れた常設展を先に見たのですが、ゴヤの特に晩年の作品、黒の時代のものは、本当に独特のエネルギーがありますね。綺麗なものを絵にすることが多い中、あえて暗いぞっとするようなものをキャンバスに残して、それも何点も何点もずらりと並べられると、強烈なものがあります。これをずっと描いていた時のゴヤの頭の中、心の中は、どんなに暗い情熱に満ちていたでことしょう。 今回ゴヤの絵を改めて観て、グラナドスがゴヤの絵画を40歳過ぎて初めて見たときに、すごい衝撃を受けたのも頷けると思いました。 その衝撃が、あの組曲ゴイェスカスの誕生のきっかけとなるわけです。 ゴイェスカス、というのはゴヤ風、という意味なのですけど、まさに、ゴヤのこれらの絵画をみて、衝撃を受けたそのままを言ってるのですね。 グラナドスは、すでに優れた作曲家であったとは思いますけれど、特に何か重要な作品を書いたわけではなく、スペイン風舞曲など、小さい綺麗な曲がありますが、そのただ綺麗であるということを超えた、重要な芸術的作品、と呼ばれるだけの何かを持ったもの、というものはなかった。 しかし、組曲ゴイェスカスは、それまでの彼の作品を、全く別次元の芸術的作品と呼ばれるにふさわしいレベルに引き上げるだけの内容があります。 というより、この組曲ゴイェスカスがなかったら、グラナドスはここまで名を残さなかったのでは。 これは画家ゴヤの絵画なしには生まれなかった。 ここが、芸術の面白いところです。いや、人生の面白いところと言った方がいいのかな。 1つのものがあり、それが強烈なメッセージを発するのを受けて、誘発されて、新しい何かが生まれる。 そういうことをいろいろ考えたゴヤ訪問でした。 そうして、エルミタージュの特別展は、エルミタージュ美術館の写真が入口に飾ってあり、あまりの大きさにまずそこに感心しすぎるぐらい感心しました。これは中で迷うだろうな、というかんじ。 金の細工を施した櫛や箱など、高価なものが並んでいて、金って柔らかいんですよね? どうやってこんな細かな細工が出来るのか知りませんが、その芸と、これらを集めれる資金の豊富さに感心しました。 校外見学というのか、小学生から高校生までのいろんな年齢の子供たちが、グループで見に来ているのに何度もすれ違いました。 こういうのを守っている美術館って、セキュリティー対策が大変だなあ、と、割に現実的なことに目が行ったのですが、ちょっとこの価値が良くわからないなと思ったのは、これ。 マティスの絵ですが、ちょっと、ふ・し・ぎ!
by miematsumura
| 2012-04-07 23:57
| 芸術について
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