ピアニスト 松村未英 の  スペインの日々
by miematsumura
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新年のご挨拶 と 私のお年始

新年明けましておめでとうございます。
皆さま、よいお年をお迎えになりましたこととお慶び申し上げます。


2013年になって、早くも1週間です。

セビリアはお天気が大変良く、ポーチでお昼を食べれるほど。
空は綺麗な青。

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年末にはグラナダにおりましたが、グラナダの寒いことといったら!!
(と言っても、それでも今年は、例年になく暖かでしたけれど)

アラハンブラにお墓参りに行きました時は、靴底からしんしんと冷えが上がってくる氷のような大地を踏みしめ、目の前に広がるは真っ白のシエラ・ネバダ。
そして、上を見上げると真っ青の空!素敵な自然の組み合わせでした。


冬と言えば、私は炎が好きで、今の家に住むときにも暖炉をつけるかどうか考えたのですが、部屋に暖房だけ、と言うよりも、やはり暖炉の炎があった方が、ということで暖炉をつけたのは大正解。気分の盛り上がりが違います。
私は火をおこすのが得意で、これは私の冬の趣味です。ああ 楽しい!


・・・と、暖かになったところで、新年で気分が良くなり、練習しなくてはいけない曲以外に、ふと思い出して、何故か、“あの曲”をまた弾いてみようかな、と言う気持ちになって、引っ張り出してきました。

ブラームスの作品118です。


これは、ブラームスが60才を超えた時に作曲した、ピアノ独奏のために書かれた小曲を6曲集めた曲集なのです。20こ書いた小曲を、作品116,117,118,119とわけて発表した、人生の酸いも甘いも味わいつくしたブラームスの人生の結晶ともいえる深い芸術です。これでピアノ独奏の為の曲は最後なのです。


私は、これを大学一年の時に初めて勉強したのだけれど、二十歳にもなっていないぴよぴよの私には、本当に大人の曲に見えて、憧れにしびれて魅了されたのです。
ネクラなのか、こういう暗い曲が私は好きでした。

はじめの5曲は何とか形になっても、最後の6番目の曲が、その深さの究極の最たるもので、すごく難しかった。音は弾けても、その裏の感情を上手く表現するには、渋すぎる曲でした。


森に囲まれた暗く、寒く、深い湖に石を投げ込むと、水面に輪が広がり、深い深い底に静かに石が沈んでいくイメージ。厳しく、孤独なイメージで、いくら練習で探しても、どう自分に問いかけあがいても、この渋い感情は当時の自分の感情の引き出しには、まだ存在していない、という不思議な感覚がありました。
こういう気持ちになった曲は、後にも先にも、この曲だけです。


その時、リサイタルで舞台には一度乗せはしましたが、もっと大人になった時の為にこの曲は置いておこう、と寝かしてありました。それからずっとこの曲は、暗い森のイメージと共に、いつも私の頭の隅にありました。


それを、楽譜を引っ張り出して弾いてみたのです。
ものすごーく、久しぶりに!!


この楽譜を読み進めていく時の感覚と言ったら!
懐かしく、また同時に、こんなにも暗ーい音楽を自分が好きだったのか、と驚きました。
でも、今だったらちょっと前よりも上手く弾けるかも!な感覚がありました。嬉!!
私も少しは、成長しているかなあ。。。


と、希望の持てた今年の私のお年始でした。ふふふ



皆様のお年始はいかがでしたでしょうか?

お餅を沢山堪能できたのだろうなあ、と、とても羨ましいです。
何故か、私はお豆の入ったお餅が食べたいです。


今年もどうぞよろしくお願いいたします。





面白い余談・・・・
このブラームスの曲に出会ったのは、先輩がリサイタルで弾いていたのを聴いたからなのですが、そのSちゃんが、卒業して日本に帰る、と聞いた時の会話。
(アメリカでの話)

“日本のどこに帰るの?”

“実家は東京なの”

“へえ、東京のどこに?”

“町田”

“え?町田!私も町田!町田のどこ?”

“玉川学園”

“え!私も。何丁目?”

“*丁目。”

“えー!私も!何番地??”

・・・と、番地まで聞きだし、何と、私の実家の5軒ぐらい先のおうちの方だったのです!!!!
信じられない!
そういうことってあるのですね!人生、面白いです。
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by miematsumura | 2013-01-07 10:04 | イベント
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