ピアニスト 松村未英 の  スペインの日々
by miematsumura
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イーストマンでの学理のクラス

前回からの続きです。



イーストマンの音楽理論の試験で、全員に配られた試験の用紙には、お決まりの、音程だとか和音の種類、転調してかけ、とか、普通の質問があった。
しかし、一番最後の質問は、なんだこれは?と思ったんです。

ただの白紙の紙が配られ、教官がいいました。
「今からかける音楽について、何でも気がついたことを書いてください」

音楽を聴いて書くのは大体聴音だったので、その場合は五線紙に何の音か書くわけです。
しかし、今回は、五線紙でもないただの紙に、書く。

何を???

そこでいくつかの質問が生徒から出ました。
「形式でも何かのモチーフと思われる音程でもメロディーでも、途中で何が起こっているか、何でもいいのです。あなた方がなにを聴けるのか知りたいのです。」


面白でしょう?こういうのは日本では、見たことがなかった。


使用された音楽はモーツアルトの何かオーケストラの曲の3楽章とか、1楽章ではない最後の方の楽章でしたね。(そうじゃないと、ソナタ形式になるから)

これを数回流してくれて、必死に何かを見つけて書くわけです。


ちなみに、この試験で、はっきり言って、何か良くわからないけど分かることを書いて出したら、何故か習熟度別で一番いいトップ約20人だけがいるクラスに入れてしまったんです。
これは、今思い出しても笑えます。
何故なら、私は英語で音楽理論するわけで、実は、多少ちゃんとついていけるのか恐る恐るのところがあったのですが、クラスが始まってびっくり!することになります。


ちなみに、この音楽理論のクラスは私は大学で受けた全てのクラスの中で一番印象に残っているのですが、理由は内容のレベルの高さと、個性あふれるクラスメイトのおかげでした。クラスには3人のアメリカ人と高校の時に移民してきたロシア人の女の子が、中央に陣取っていました。
毎回のクラスで、先生の目の前に貼りつくように、いつも真ん中に陣取っているのです。

そして、この4人がすごいのです!

先生が質問をするとします。
その文章が終わらないうち、または、質問の初めの3文字ぐらいで、(何しろ英語は”What do you think~"とまだ内容を言ってもいないような時)に、はいはい!はい!とか手を挙げて、そして、何かを答えるんですよ!爆

また、ロシアから来た子は、よく言いました。「モスクワでは・・・・」


純真な日本人だった私は、仰天します。
あの天才を生みだすモスクワから来たのか・・・恐るべし、と。

先生が質問を言うより前に、先生の指が指している部分がどれだけのことか分かるぐらい、この人たちは物知りなのだ!!
それに比べて、自分は、先生が質問を言い終えないと、何が質問なのかもわからないよう!


今思い出すと、お腹を抱えて笑えますが、当時は本気で驚いて、落ちこぼれないようにと、必死でした。

しかし、ある時、しばらくたって、先生に私は道で会った時に聞きました。

「あの4人はいつもすごいですね。あれだけの即効で理解するとは、恐ろしいと思ってるの。」

「ははは、あれはほとんどは間違っているんだよ、気にしなくていいんだよ」

「・・・・・・・」



恐るべきアメリカ人。いや、ロシア人も・・・・
おお、威嚇作戦だったようです。



ドレミの音を聴いて書き取る、という以外に、音楽として、何が聴こえて来ているか、ということをききとる練習を繰り返しました。

例えば、小説の朗読をきいて、そこで、一語一句違わずに紙にかけるけど、どういった特徴の人物が出てくるか、何が起こるか良く理解できていないという場合と、大きな流れとして、どういった人物が、どういう状況で、どんな人や物事に出会った後、どういったきっかけでどこかに行くことになり、出会い最後にはどうなるか、等の内容の流れを聴きとる能力を持つという場合の、この違いが分かるでしょうか。


私は日本で前者の方はすごく磨いていたので、音をかき取ることは出来た。
でも後者の方は、あまりそれが存在することも意識してなかったような気がします。

面白いことに、とにかくこの4人がおしゃべりな為、曲をかけていると、「あ、ここにV-Iになった」「ここにbVIがある」とかいちいち言うわけですね。だから、どういうことを他の人が聴いているのか分かるわけです。そして、実際に、気をつけていると、だんだんそういうのが聴こえてくるようになるのですね。


音楽の理論が紙の上の理論ではなく、実際に作品を解釈するのに使えるような、実際の理論であることが、この学校で学べた幸運の一つだったかと思います。

この訓練があったからフラメンコを実際に見たときに、ファリャやアルベニスの楽譜と結び付けることが出来たのかも知れません。
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by miematsumura | 2013-09-26 05:55 | スペイン音楽
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